食品添加物は体に良くないというイメージが浸透していますが、人工甘味料は世界中で最も使用されている食品添加物です。甘さを感じてもカロリーゼロということで、代謝性疾患や体重増加を気にする人に好まれて、ソフトドリンクやゼリーなどで多くが摂取されています。
最も一般的な人工甘味料はアスパルテームとスクラロースで、どちらもAceKと呼ばれる化学物質が配合されています。
清涼飲料水の3分の1はこの化学物質を含んでおり、チューインガム、歯磨き粉、ビタミン剤など様々な製品に添加されています(最近では甘味料に天然の糖分を配合するケースも増えています)。
スクラロースやアスパルテームなど、ほとんどの人工甘味料はFDAなどの規制機関によって安全であり、十分な耐性を備えていると判断されていますが、歴史的に、安全性評価では、人間の健康における腸内フローラの重要性が軽視されてきましたところも忘れてはなりません。
最近になって、人工甘味料が腸内フローラの変化を介して耐糖能異常を引き起こし、その結果、人工甘味料が解決しようとする問題(糖尿病、心臓病)のリスクを増大させる可能性があることを示す証拠が見つかってきているのです。
多くの人工甘味料はカロリーがないだけでなく、体内を変化なく通過するため、人工甘味料は代謝的に「不活性」であり、痕跡を残さないとされてきました。しかし、人工甘味料は小腸で吸収されずに大腸まで移動し、腸内細菌と相互作用します。
人工甘味料の中でもサッカリンは、腸内フローラを変化させ、血糖値の異常を引き起こすことが実験で示され(*)ています。循環血糖値が高くなると、長期的には2型糖尿病を引き起こし、心臓病のリスクも高まります。
*Nature誌 に掲載された2014年の研究 (英語) https://genie.weizmann.ac.il/pubs/2014_nature.pdf
また、ダイエット飲料業界の「救世主」として歓迎されている、カロリーゼロの天然砂糖代替食品であるステビアも、研究はまだ限定的ではありますが、腸内細菌間のコミュニケーションを乱すなど、腸内フローラに害を及ぼす可能性が示唆されています。
現段階では人工甘味料は悪であるとは言い切れないものの、腸活生活では、できれば自然由来のものを体内に取り入れたいものです。
適切な腸内環境を手に入れれば、カロリーをそれほど気にせず生活できるはずです。まずは、腸内フローラのバランスを整え、健やかな毎日のための心身を目指したいところです。